水資源 その2 (工業用水)

ASEANにおいて、マレーシア、タイ、インドネシア、ベトナムあたりは、労働集約型産業から付加価値型の製造活動にシフトしてきている。
ただし、近年、環境意識の高まりとともに規制も厳しくなり、特に工業用排水をどのようにするかが大きなテーマとなっている。
日本の場合は、どちらかというと、環境規制やモラル的な観点からコストをかけてでも環境対策に取り組んだり、政府からの補助金も充実しているケースが増えてきている。
しかしながら、タイをはじめASEANの国では、経済的要因により排水等を改善したいという雰囲気が強い。
というのも、グローバルレベルで競合が増えてきている環境下において、足元では、人件費・原材料・設備等の価格が上昇し、さらに規制が強化された際に対応するための追加コストを捻出するのがどんどん厳しくなってきているからだ。
よって、重要になるのは費用対効果であり、
処理設備の初期投資+ランニング費用 < コストダウン額
が成り立つかどうかであるが、これをクリアするために大きなハードルが3点あると考えられる。
なかなか改善が難しい問題ではあるが、逆に言えばどの工場も何かしら困っていることが多いので解決できればそれは競合優位性にもつながる。
ではどうしたらよいか?
排水・廃溶剤処理においてコストダウン検討するステップとしては、以下のようなステップになると思う。
排水削減
日本国内の製造業の場合は、話を聞く限りでは既に4のステップをトライしている工場が多い印象がある。
例えば、工場内で使っている油や化学薬品等をできる限り使わなくても製品が作れるように製品設計や生産技術の工夫で工程を変更している。
一方でマレーシア、タイはステップ2、インドネシア、ベトナムはステップ1から2に入ろうとしている位の感じがある。
気候等も含めて環境条件が日本とは異なるため、全く同じやり方でケミカルフリーやオイルフリーが実現できるかというと簡単にはいかないが、環境対策はASEANでも必須となりつつあり、排水や廃溶剤の処理において科学的なアプローチで廃棄物を削減する企業も少しづつ出てき始めている。
タイのあるメッキ工場では、自社の工程で利用する塩酸と硫酸を簡単な再生装置で100%リサイクルしている。
通常のメッキ工場であれば、酸を購入して廃棄業者にお金を支払って引き取ってもらっているが、同社ではそのすべての費用が発生していない。
しかも自社開発で設備投資費用は非常に少額に抑えられている。
また、生産工程で発生する水・油・化学薬品等が複数種類混じった廃溶剤を預けると、それがどのようにすれば分離・回収できるかを分析してくれるのとともに、どのような方法を取れば金額ベースで費用対効果を出せるかのシミュレーションまでしてくれるサービスを提供してくれる会社も出てきており、短期間でどんどんビジネスの幅を広げている。

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